免疫疾患横断セミナーシリーズ第3回

免疫疾患横断セミナーシリーズ第3回

プログラム

日本臨床免疫学会が、会員以外の方を対象に企画したセミナーです。
学会員も参加できます。研修認定単位1単位が取得できます。


Human Immunology Priming Seminar
~様々な領域の分子標的療法から臨床免疫を理解しよう~
2022年5月28日(土) 13:00-16:35
会場: 東京ステーションコンファレンス・サピアホール


様々な領域の免疫疾患のエキスパートが、臨床免疫の視点で俯瞰しつつ入門レベルから解説します。
まだ専門分野を決めていない、研修医・専攻医も歓迎です。


 開催形態
ハイブリッド(会場参加・ウエブ参加のいずれも可能)
 参加費
無料(単位認定料のみ有料)
 主 催
一般社団法人 日本臨床免疫学会
 イブニング
 セミナー共催
アッヴィ合同会社


参加申込は締切りました。


 司 会 :
藤尾圭志(東京大学大学院医学系研究科内科学 アレルギー・リウマチ学)
松本 功(筑波大学医学医療系 膠原病リウマチアレルギー内科)


13:00-13:05 開会挨拶

 田中良哉(一般社団法人日本臨床免疫学会 理事長)

13:05-13:30 皮膚科領域「皮膚は臨床免疫のショーケース」

 沖山奈緒子(東京医科歯科大学 皮膚科)

13:30-13:55 小児科領域「サイトカインストーム症候群をきたす小児の炎症性疾患」

 清水正樹(東京医科歯科大学 小児科)

13:55-14:20 リウマチ膠原病領域 「リウマチ膠原病の多様性を考えた治療は可能か?」

 保田晋助(東京医科歯科大学 膠原病・リウマチ内科)

14:20-14:30(休憩)

14:30-14:55 消化器内科領域「消化管粘膜の多様な細胞が織りなす消化器免疫学 」

 三上洋平(慶応義塾大学医学部 消化器内科学)

14:55-15:20 脳神経領域「免疫と神経のクロストーク」

 千原典夫(神戸大学大学院医学研究科 脳神経内科)

15:20-15:45 アレルギー領域「生物製剤による気管支喘息の個別医療とunmet needs」

 廣瀬晃一(国際医療福祉大学医学部 リウマチ・膠原病内科)

15:45-16:25 イブニングセミナー「臨床免疫における JAK-STAT 系と JAK 阻害薬」

 座長:松本 功(筑波大学医学医療系 膠原病リウマチアレルギー内科)
 講師:藤尾圭志(東京大学大学院医学系研究科内科学 アレルギー・リウマチ学)

16:25-16:30 全体総括

 松本 功(一般社団法人日本臨床免疫学会 学術委員会副委員長)

16:30-16:35 閉会挨拶

 藤尾圭志(一般社団法人日本臨床免疫学会 学術委員会委員長)

講師紹介


沖山 奈緒子

沖山 奈緒子

東京医科歯科大学
皮膚科

「皮膚は人体最大の免疫臓器」と言われます。外界と直接接し、上皮があり、自己抗原も外来抗原も提示されていて、常在もしくは循環する免疫担当細胞がいます。我々は特に、全身性免疫疾患の窓としての皮膚に興味があり、皮膚移植片対宿主病における免疫担当細胞もしくは分子の機能を分析したり、筋炎特異抗体ごとの新規マウスモデルを作ったり、がん免疫療法での免疫関連副作用の成立メカニズムを遺伝子改変マウスから紐解いたりしています。皮膚分野を含めた臨床免疫学は、様々な分子標的薬が実臨床に登場し、フィードバックにてマウスモデルに乗せてさらに病態が分かってくるという循環に乗っている、エキサイティングな時代になったと言えます。

清水 正樹

清水 正樹

東京医科歯科大学
小児科

リウマチ膠原病や感染症の炎症病態の形成に、炎症性サイトカインは重要な役割を果たしています。これらの疾患において病勢の抑制が不十分であると、サイトカインの過剰産生と免疫炎症細胞の異常活性化により、サイトカインストーム症候群(CSS)と呼ばれる致死的な重症病態に進行します。私たちはCSSをきたす様々な炎症性疾患に対して血清サイトカインプロファイル解析を行い、炎症病態を可視化し、共通する臨床症状を呈する疾患を鑑別し、病勢を的確に評価する仕組みづくりをしています。本講演では、ベッドサイドで患者さんを診察し、ベンチで患者さんの検体を解析し、病態を考察し最適な治療を考える、臨床免疫学の楽しさをお伝えしたいと思います。

保田 晋助

保田 晋助

東京医科歯科大学
膠原病・リウマチ内科

リウマチ膠原病の病態は、「自己寛容の破綻」という共通の背景を有するにもかかわらず、その臨床像や治療反応性は全く異なる。その病態においても、関節リウマチではTNFα- IL-6を主軸とした直列系、全身性エリテマトーデスではI型インターフェロンの過剰産生をキーとしたより複雑な並列系といえる。一方、炎症性筋疾患では細胞死を介したサイクルが病態を形成する。こうした疾患毎の多様性が、分子標的治療の有効性の違いとなって現れていると考えられる。本セミナーでは、リウマチ膠原病疾患の免疫学的多様性について、サイトカイン・細胞内シグナルを軸に皆様と考えてみたいと思います。

三上 洋平

三上 洋平

慶応義塾大学医学部
消化器内科学

炎症性腸疾患領域では、他のリウマチ膠原病領域と同様に、次々と新しい薬剤が臨床応用されています。中でも、分子標的薬の登場により、治療標的が、臨床症状の改善から粘膜治癒やQOLの改善、さらには病理学的治癒といったレベルまで望める様に飛躍的に進歩しました。これらの分子標的薬の有効性、副作用についての知識は、大規模臨床研究の結果から学ぶことができます。分子標的薬の知識や使用経験に加えて、なぜ効果が出るのか、また、なぜ副作用が起こるのか、などといった臨床現場で浮かび上がるさまざまな疑問に対して答えを考えながら、より懐の深い臨床医を目指して、免疫学、腸内細菌学、分子生物学、オミックス解析を融合した臨床免疫学を皆様と一緒に勉強させていただきたいと思っております。

千原 典夫

千原 典夫

神戸大学大学院医学研究科
脳神経内科

今、免疫と神経のつながりが注目されています。脳は免疫特権領域の一つとして知られ、臓器移植への拒絶反応がおこりにくい臓器とされてきました。中枢神経系は通常、血液脳関門に囲まれた堅城のようです。しかしながら、コモンディジーズである脳卒中や認知症から希少難治性神経疾患である多発性硬化症まで、病的な状態では血液脳関門の破綻と脳内炎症による神経障害が生じることが知られてきています。再生しない神経細胞をいかに維持するか、免疫担当細胞を標的とする治療薬が一部で効果を示しています。脳の健康を身体の健康とは別に考えて個人が自身の能力を最適化できるように、免疫と神経のクロストークを理解することが求められています。

廣瀬 晃一

廣瀬 晃一

国際医療福祉大学医学部
リウマチ・膠原病内科

近年では病態に基づいた抗体製剤や分子標的薬がアレルギー疾患の治療にも用いられるようになり、気管支喘息の診療も大きな変換を迎えています。しかし、これらの薬剤の恩恵を受けられる患者さんは一部に限られており、いまだにステロイドなど非特異的な抗炎症療法を続けて副作用に苦しんでいる患者さんもいます。これら気管支喘息のunmet needsの解決には臨床免疫学、特にヒト免疫学の解明が欠かせません。この講演では近年の喘息治療の進歩を概説するとともに、残された課題を皆さんとともにディスカッションをしたいと思います。



主催:一般社団法人 日本臨床免疫学会、 イブニングセミナー共催:アッヴィ合同会社




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