新型コロナウイルス対策(COVID-19)
免疫療法を受けている方々へ

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  • 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がパンデミックとなっています。自己免疫疾患や悪性腫瘍などで免疫療法を受けておられる方々は不安な思いをお持ちのことと思います。
  • 中国や欧米の報告では,リウマチ疾患で生物学的製剤の投与を受けている方が特に重症化するという報告はありません。
  • 生物学的製剤, 免疫抑制剤,抗リウマチ薬,チェックポイント阻害療法など免疫療法を受けておられる方は,自己休薬は病状の悪化をきたす可能性がありますので避けて下さい。わからないことがあれば、主治医にご相談ください。
  • 抗凝固療法を受けている方は、血栓リスクがありますので主治医にご相談ください。
  • 大部分の妊婦さんは感染しても経過は非妊婦と変わらないとされていますが、妊娠後期における重症化の報告があります。また少数ながら垂直感染(妊婦さんから胎児への感染)を示唆する症例も報告されていますので注意が必要です。
  • 日常的なマスクの使用、こまめな手洗い、会話の際には距離を置く、三密の回避と換気、環境消毒、会食は避けるなど日頃の健康管理の徹底を図ってください。時差出勤や在宅勤務を含む職場環境についても勤務先と十分にご相談ください。
  • 2月に接種の始まるワクチンについては、まだ十分な情報はありませんが、免疫療法を受けている方も接種した方が良いという考えが多いようです。
  • 患者さんの一般的な留意点、発熱時の対応については裏面にまとめてあるので、参考にしてください。また、詳しい情報は、厚生労働省や関連学会のホームページをご覧ください。
  • なお、このリーフレットは、令和3年1月25日時点の情報や考え方をもとに作成しています。状況に変化があった場合は、適切に改訂します。

一般的な注意点

■新型コロナウイルス流行の第三波が広がっていますので、特に免疫療法を受けておられる方はマスク、手洗い三密回避を徹底してください。また、閉鎖空間での集会、会食、不要不急の外出は控えてください。勤務についても満員電車を避け、徒歩や自家用車の利用、時差出勤や在宅勤務を考慮してください。


■家庭内に感染者や疑いのある方がおられる場合は、別室で過ごすなど接触を避けてください。また、タオルや食器の共用は避けてください。



発熱などの症状がある時の対応について

■持病のある方で37.5度以上の発熱や咳嗽、倦怠感、嗅覚・味覚障害などの症状がある場合は、まず電話でかかりつけの医療機関にご相談ください。一般の医療機関では新型コロナウイルスのPCR検査を受けられないことがありますので、指示された医療機関を受診してください。かかりつけ医と連絡が取れない場合は,保健所や地方自治体の窓口にご相談いただくことも可能です。



外来受診について

新型コロナウイルス感染者と濃厚接触した方、ご家族に患者さんがおられる場合は受診前に、医療機関に電話でご相談ください。当該医療機関では必要に応じ、発熱外来などを設置し、来院日時や診療場所などを他の患者さんと分け、感染対策を取って対応する場合が多くなっております。あらかじめご相談ください。


生物学的製剤, 免疫抑制剤,チェックポイント阻害療法など免疫療法を受けておられる方は,自己休薬は病状の悪化を来す可能性がありますので絶対にしないでください。免疫療法の継続の可否については,必ず主治医と相談してください。


地域でコロナが流行しているとき、新型コロナウイルス感染の可能性がある時は、定期受診を控えて、オンライン診療などを考慮してくださ。その場合、自宅で毎日の症状、可能であれば血圧測定や酸素飽和度の測定(機器が必要)を行い記録してください。自宅で様子を見ていただくのは、それまでの経過が安定している場合に限ります。専門施設の多くではオンライン診療も可能になっています。症状がある場合は受診が必要ですが、かかりつけ医療機関で対応できない場合もありますので、まずは電話でご相談ください。



治療について

現時点でCOVID-19に対し有効性の確立した特効薬はありません。
認可されているレムデシビルも効果は限定的です。期待を集めているファビピラビル(アビガン)やイベルメクチンは治験が進行中です。デキサメサゾンは重症者に対しては有効ですが、軽症‐中等度の方には有効性が明らかではありません。抗IL-6レセプター製剤(トシリズマブ)は有効性と安全性のバランスに賛否両論があります。
患者さんの病状に応じた適切な治療が必要になります。免疫療法に携わる医師は、各々の専門領域での診療と共に、感染症専門医や救命救急医と連携して適切な治療法を提供いたします。


COVID-19の治療や予防に有効性が証明されている食べ物やサプリメント、補完代替療法はありません。SNSなどで誤った情報が拡散していますので惑わされないようにしてください。



ワクチンについて

有病者の方もワクチン接種は受けられます。
感染症に対する最も確実な予防法はワクチンの接種です。昨年秋から始まったSARS-CoV-2のワクチン接種は欧米やイスラエルで先行しています。有病者でもワクチン接種が行われています。イスラエルでは国民の20%が接種を終えた段階で新規感染者、重症者が減少し、米国でも接種をした集団で減少に転じています。日本ではステロイドなど免疫の機能を低下させる治療を受けている場合は、「基礎疾患を有する者」とみなされ、本人の同意があれば優先的に接種される予定です。


ワクチンの副反応情報についても適宜情報発信されます。
mRNAワクチンに接種による副反応としてのアナフィラキシー(強いアレルギー反応)は0.0011%程度と報告されています。数%の方に注射局所の強い疼痛が数日続くとされています。その他の副反応についても、省庁などからの正式な情報が適宜発出されますので、ご参照ください。現時点において、中長期的な有害事象については不明です。


予防接種は無料で受けられます
政府はすでに全国民に十分供給できるワクチンを確保しており、希望者は指定された医療機関で接種を受けられます。基本的には3週間をあけて同じ種類のワクチンを2回受けることになります。接種はあくまでご本人の希望によりますので、主治医に接種のメリットと副反応のリスクについて説明を受けて下さい。かかりつけの医療機関で対応できないこともありますので、まずは主治医にご相談ください。



基礎疾患を有する者(高齢者以外)に該当する方のリスト
ワクチン接種の際に予診票(自己申告)で確認される予定です。

出典:
第43回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 資料
(2020(令和2)年12月25日)



2021年2月5日
一般社団法人 日本臨床免疫学会
理事長 田中良哉
広報・教育・次世代育成委員会 委員長 森尾友宏