学会概要 Outline

理事長

理事長 田中 良哉

日本臨床免疫学会 理事長 田中 良哉
(産業医科大学医学部第1内科学講座教授)

ご挨拶

 いま、臨床免疫学が最高におもしろい!若い力を学際的に結集すれば、世界をリードできるのでは?日本臨床免疫学会は1973年に設立され、今年は50周年を迎えます。私が入会した1985年頃は、日本の免疫学者によって発見されたIL-4, IL-5, IL-6などの臨床免疫学への応用が始まる黎明期でした。現在ではこれらに対する分子標的薬は、多くの免疫難病に治療応用されています。実験室の研究を臨床の現場・患者に確実にトランスレーションできることをこれほど実感できる学会は他にあるでしょうか。

 日本臨床免疫学会は臨床免疫学ならびに関連する分野の進歩発展を図ることを目的としてきましたが、次の進歩のためには、学際的な研究の推進、国際化、若き力の登用が必要です。臨床免疫学は、免疫学、内科、小児科、膠原病リウマチ内科、腫瘍内科、脳神経内科、皮膚科、消化器科、産婦人科、眼科、アレルギー科などに亘る学際的、横断的、かつ重層的な学問です。比類なきほどの幅広い分野の会員が、「免疫」という共通言語を介した交流を通じて、各分野間の普遍性と特異性を認識し、議論できれば、新たな発展に繋がるはずです。免疫疾患横断セミナーなどを開設し、学際的な研究を推進しています。

 また、国際共同研究、共同開発が発展のカギを担います。COVID-19パンデミック禍では免疫学の臨床応用は世界的な注目を集め、診断、予防、治療の全てにおいて臨床免疫学を中心的としたグローバルな知識の共有と協力が不可欠です。本学会機関誌Immunological Medicineの充実を図るとともに、設立50周年を記念して、第1回国際臨床シンポジウムを開催し、FOCISへの加入、国際サイトカイン学会、国際神経免疫学会との連携を始めました。若い研究者が世界に飛び出す機会を増やせるでしょうか。

 さらにおもしろい学会にするために、何をすべきでしょうか?若い力を集結するには何が必要でしょうか?第50回本学会総会では、ここに来れば臨床免疫学の全てがわかるような会を目指しています。毎年沖縄で開催するMid-winter seminarなど若手セミナー、アニュアルエビデンスレビュー、免疫療法認定医制度の充実、基礎・臨床研究の統括・支援など、理事会や総務委員会などを中心に精力的に尽力しています。皆様の英智を結集し、10年先の進歩を見据えて新たな潮流を実感できればと思います。今後とも一層のご支援とともに御指導御鞭撻を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。