ヒト免疫研究リソース

はじめに


近年、臨床免疫学分野においてゲノム情報をはじめとし、トランスクリプトーム、プロテオーム、メタボロームなど、オミックス情報の活用が必須となってきている。フローサイトメトリーを用いた免疫細胞フェノタイピングは、自己免疫疾患の病態解明のためもはや必須の手法となっている。さらにはマスサイトメトリーの登場により数十種類の細胞内外タンパクを同時に、1細胞レベルで観測することができるようになった。加えてSingle-cell RNA-seqが普及し、1細胞ごとの転写産物を網羅的に解析することが可能になった。

以上のように遺伝子発現情報ヒトデータを活用するための技術的進歩は目覚ましく、臨床免疫学分野においても積極的な活用が望まれている。しかしながらその情報量は膨大であり、研究に有用なデータセット、プロトコールを活用することは必ずしも容易ではない。

このような状況の中、臨床免疫学会ヒトデータ共同研究小委員会が、臨床免疫学的研究に特に有用と思われるオミックスデータベースを選定し簡単な解説を加えた他、フローサイトメトリー、マスサイトメトリーのプロトコールを公開するに至った。ここにあげたデータベース、プロトコールはごく一部ではあるが、第一線の研究施設で実際に活用されているものであり汎用性が高いものを厳選している。

臨床免疫学研究の端緒を開くために本資料を活用していただければ幸いである。


2020年8月24日 臨床免疫学会ヒトデータ共同研究小委員会