認定医制度 information

研修認定セミナー開催予定

アニュアルエビデンスレビュー2020 オンラインセミナー(終了いたしました)



おかげさまで多数のご参加をいただき無事盛会の裡に終了いたしました。

ご参加いただきました皆様、ご協力いただきました関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。




プログラム


アフタヌーンセミナー/共催:中外製薬株式会社  15:00-15:50

  座長:渥美 達也(北海道大学大学院医学研究院 免疫・代謝内科学教室)


  テーマ
関節リウマチ診療 ~最近の知見から考えるIL-6阻害の実効性~
  演 者
柱本 照(神戸大学大学院保健学研究科 臨床免疫学教室)
  抄 録
 関節リウマチ診療の三本柱は薬物療法・手術療法・リハビリテーションであり、各治療部門の有益性と独自性を保ちつつ行われる診療連携が重要であることは言うまでもない。それらの連携を前提として、昨今のリウマチ診療は「臨床的寛解」、「構造的寛解」、「機能的寛解」の達成を見据えた治療戦略を問われる時代となった。
 2019年に発表されたEULARリコメンデーションは、2013/2016リコメンデーションを踏襲しつつ、IL-6阻害剤やJAK阻害剤の位置づけ、あるいはDMARDsの減量や休薬について、幾つかの新たな知見を付与した。また、時代に則してup-dateされるリウマチ診療ガイドラインは、patient reported outcomeを反映して診療の質に変化をもたらせ、疾患活動性の制御のみならず、疼痛、疲労、日常生活の満足度をはじめとする患者目線のリウマチ診療評価の重要性を示している。
 世界初のIL-6阻害剤として2008年に上市されたトシリズマブは、関節リウマチ患者の臨床的寛解、あるいは低疾患活動性を達成できる可能性を持つ。一方で生物学的製剤や低分子抗リウマチ薬の選択には、依然として限られた症例経験と偏った知識による試行錯誤が繰り返される現状も指摘されている。本講演では、リウマチ診療の最新トピックスを踏まえ、適切な治療計画を立案できるためのIL-6の基礎知識とトシリズマブの特長を概説する。

中外製薬株式会社



Annual Evidence Review 1-4 (免疫療法認定医制度 研修単位3単位付与)

座長 渥美 達也(北海道大学大学院医学研究院 免疫・代謝内科学教室)

座長 松本 功(筑波大学医学医療系内科(膠原病・リウマチ・アレルギー))


 16:00-16:40
Annual Evidence Review 1
  テーマ
関節リウマチおよび脊椎関節炎
  講 師
田村 直人(順天堂大学医学部 膠原病内科)
  抄 録
 関節リウマチの治療においては,MTX効果不十分例で予後不良因子を有する症例に対して,生物学的あるいは分子標的抗リウマチ薬の投与が推奨されて久しい.しかし,様々な理由からMTX 投与が困難であり,これらの薬剤を最初からあるいは途中から 単独投与とすることも少なくない.また寛解を達成したのちの減量・減薬についても今後さらに検討すべきである.さらに,JAK 阻害薬はトファシチニブ,バリシチニブに加えてペフィシチニブが承認され,選択的JAK1阻害薬であるウパダシチニブ, フィル ゴチニブについても臨床研究の結果が報告され,有効性および副作用はこれまでのJAK阻害薬と類似することがわかってきている.一方で,脊椎関節炎においては, 主要な病態である付着部炎におけるIL-23 / IL-17 axis の重要性が明らかとなり,乾癬性関節炎や強直性脊椎炎に対してIL-17阻害薬が承認されており多くの臨床研究がある.さらに,X 線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎に関する報告も多く,この概念についての理解が必要である. また,JAK阻害薬は脊椎関節炎においても有用性が報告されている.本レビュー講演では,これらを含め関節リウマチおよび脊椎関節炎における分子標的薬の最新のエビデンスを紹介し議論したい.


 16:45-17:25
Annual Evidence Review 2
  テーマ
消化器免疫疾患のエビデンスレビュー 炎症性腸疾患を中心に
  講 師
長沼 誠(関西医科大学 内科学第三講座)
  抄 録
 炎症性腸疾患(IBD)は若年に発症し,再燃と寛解を繰り返し,血便,腹痛,下痢などを主訴とする炎症性腸疾患である.近年原因となる免疫学的機序や環境因子の研究が進み,治療により病勢がコントロールされる例が増えてきている.2002年に生物学的製剤であるinfiliximab がクローン病に使用可能となり,その治療効果の確実性・即効性より,難治例のみならず,長期予後の観点から診断早期にEarly intervention therapyとして使用される症例も増えている. また潰瘍性大腸炎に対するinfliximab は2010年に承認され,血球成分吸着除去療法やタクロリムスなどとともにステロイド抵抗例・依存例の治療法の1つとして使用可能となっている.2017年までIBDに対して使用可能な生物学的製剤は抗TNF抗体製剤(infliximab, adalimumab, golimumab)および抗IL-12抗体(ustekinumab)だけであったが,2018年に接着分子阻害薬であるvedolizumab やJAK 阻害剤である tofacitinibが保険適応となり治療選択が広がった一方で,これらの治療の位置づけ,治療選択などは明確ではない.また治療開発中の薬剤について有効性に関する報告がなされている.本発表ではIBD を中心に自己免疫性肝炎,自己免疫性膵炎に対する国内外のエビデンスと今後の治療展望について概説したい.


 17:30-18:10
Annual Evidence Review 3
  テーマ
免疫チェックポイント阻害剤を中心としたがん免疫療法のエビデンスレビュー
  講 師
中面 哲也(国立がん研究センター 先端医療開発センター 免疫療法開発分野)
  抄 録
 抗CTLA-4抗体,抗PD-1抗体,抗PD-L1抗体といった免疫チェックポイント阻害薬の登場はがん免疫療法の地位を標準治療として確固たるものとし,がん治療を一変させた.近年,免疫チェックポイント阻害剤単独療法での適応の拡大が進み,進行期の悪性黒色腫,非小細胞肺がん,腎細胞がん,ホジキンリンパ腫,頭頸部がん,胃がんなど複数の悪性腫瘍で国内承認を得て,単剤での開発には目途が立ちつつある.一方で,その奏効率は平均すると20%程度にとどまっており,バイオマーカーの開発や,残りの80%の患者に有効な治療の開発が行われている.単剤でそれらを越えるような新たな免疫チェックポイント阻害薬は登場しておらず,現在,更なる治療成績の向上を目指して多数の併用療法(複合がん免疫療法)の臨床試験が進行中である.免疫療法同士の併用療法,抗がん剤や分子標的薬など承認薬剤同士の併用療法,あるいは放射線治療との併用療法などで有望な結果も出ている.新規がん免疫療法の臨床試験は併用療法も含めると早期試験を中心に全世界で3000種類近く行われていると推計されており,免疫チェックポイント阻害剤がそのベースとなっている.本レビューでは,免疫チェックポイント阻害剤を中心に最近のエビデンスを概説し,CAR-T細胞療法やTCR-T細胞療法といった遺伝子改変T細胞療法,個別化ワクチン,個別化T細胞療法の開発などについても触れてみたい.


 18:15-18:55
Annual Evidence Review 4
  テ ー マ
アレルギー領域疾患のエビデンスレビュー
  講  師
神戸 直智(京都大学大学院医学研究科 皮膚科学)
  抄  録
 2018年には皮膚科領域では蕁麻疹とアトピー性皮膚炎という2つの代表的なアレルギー疾患の診療ガイドラインが改定された.改定のポイントの1 つとして蕁麻疹では,「症状を誘発する原因が特定されず,ヒスタミンH1受容体拮抗薬の増量等の適切な治療を行っても,日常生活に支障をきたす程の痒みを伴う膨疹が繰り返して継続的に認められる場合」に限られるものの,IgEに対する中和抗体であるオマリズマブが治療手順のSTEP3として登場し,実際に診療現場において効果を上げている.一方,アトピー性皮膚炎のガイドラインにおいては今回の改定では触れられていないが,IL-4/IL-13受容体の阻害によりTh2環境の是正に関わるデュピルマブが診療の現場で使用される様になり,こちらも驚くべき効果を上げている.またこれら薬剤の登場は,蕁麻疹であれアトピー性皮膚炎であれ,その疾患の成り立ちや発症メカニズムに対しても新たな視点を提供している.アレルギー領域に登場したこれら2 つの生物製剤を中心として振り返ることで,アレルギー治療が新たな時代を迎えたことを実感してほしい.


イブニングセミナー/共催:アステラス製薬株式会社  19:00-19:50

  座長:田村 直人(順天堂大学医学部 膠原病内科)


  テ ー マ
ループス腎炎のマネジメント
  演  者
金子 祐子(慶應義塾大学医学部 リウマチ・膠原病内科)
  抄  録
 全身性エリテマトーデス(SLE)は,全身の臓器病変と多彩な自己抗体の出現を特徴とする自己免疫疾患である.分類基準の確立,病態解明の進歩,治療法の発展などにより,生存率は近年良好となってきた.治療のファーストラインは依然としてステロイド剤であるが,現在では早期から免疫抑制剤を併用して、ステロイドを早期に減量しながら疾患制御することが主流となってきた.約10年前から,世界的ガイドラインやリコメンデーションが提案され,日本でも厚生労働省研究班,日本リウマチ学会および関連学会の協力のもと,2019年にSLEガイドラインが提唱された.特に,頻度が高く予後と密接に関連するループス腎炎に関しては,世界中の主要な学会が治療指針を提唱し,エビデンス構築が勢力的に行われている.本演題では,ループス腎炎の治療について概説し,よりよい治療に向けたマネジメントについて考えてみたい.


アステラス製薬株式会社