認定医制度 information

研修認定セミナー開催予定

アニュアルエビデンスレビュー2021(AER2021)


ハイブリッドセミナー(会場参加およびweb参加)

 会 期
2021年3月7日(日)8:00-12:50
 会 場
AP大阪駅前 B2F APホール
大阪府大阪市北区梅田1-12-12
 アクセス・
 周辺情報
AP大阪駅前 (tc-forum.co.jp)


AERに参加されますと、免疫療法認定医の研修認定単位3単位が付与されます。ただし、AER2021の内容は、第48回総会会期中(10/17)に実施したAERと同じものです。両方参加されても6単位にはなりませんので、ご注意ください。


参加申込は締切ました。多数のお申込みをいただき、ありがとうございました。
お問合せは、学会事務局まで。(jsci@icongroup.co.jp



プログラム


モーニングセミナー/共催:アステラス製薬株式会社 8:00-8:50

座長:川畑 仁人(聖マリアンナ医科大学 リウマチ・膠原病・アレルギー 内科)


 テーマ
関節リウマチにおける特異的バイオマーカー
 講 師
松本 功(筑波大学医学医療系 膠原病リウマチアレルギー内科)
 抄 録
 NIH(アメリカ国立衛生研究所)の研究グループは1998年に「バイオマーカーとは通常の生物学的、病理学的過程、もしくは治療的介入に対する薬理学的応答の指標として、客観的に測定され評価される特性」と定義づけた。関節リウマチ(RA)において、抗シトルリン化蛋白抗体(ACPA)はRA特異的な血清マーカーであり、診断・予後予測や、治療選択においての測定も可能である。しかしながら、ACPAはRA発症の数年前から産生されるとされ、その病因論も含め不詳の部分も多い。一方、RA治療は劇的に進化し続け、早期診断を行い、かつ活動性の高い患者群に対しては寛解誘導・維持を目指す積極的な治療が推奨されている。現在ではTNF阻害薬、IL-6阻害薬、T細胞選択的共刺激阻害薬及びJAK阻害薬など多くの強力な薬剤が本邦で使用可能であり、RAの病勢を特異的に反映できる血清マーカー探索も進んできている。本講演ではRAにおける診断および活動性の両者に関連するバイオマーカーのトピックをレビューし、我々の検討も絡めて、シトルリン化蛋白やACPAの産生経路と炎症病態との関連を討議する。


アステラス製薬株式会社



Annual Evidence Review 1-4(免疫療法認定医制度 研修単位3単位付与)

座長:渥美 達也(北海道大学大学院医学研究院 免疫・代謝内科学教室)

松本 功(筑波大学医学医療系内科 膠原病・リウマチ・アレルギー)


 9:00-9:40
Annual Evidence Review 1
 テーマ
関節リウマチのエビデンスレビュー
 講 師
川畑 仁人(聖マリアンナ医科大学 リウマチ・膠原病・アレルギー 内科)
 抄 録
 近年の関節リウマチの病因・病態研究は、遺伝要因および環境要因の解析とともに、病態形成における新規T・B細胞サブセットや線維芽細胞サブセットの役割、臨床情報を取り入れたマルチオミクス解析へと進み、新規治療標的を考えるうえでも興味深い知見が集積されつつある。治療においては、メトトレキサートおよび生物学的製剤や小分子化合物の使用と、早期からの抗リウマチ薬による厳格なコントロー ル、疾患活動性の評価とそれに基づく治療目標の設定および目標達成のための治療適正化(T2T)といった治療法の進歩により、寛解を目指す治療戦略が可能になっている。更に、リウマチ診療へのAI技術の応用など新たな試みも行われている。一方で、多剤抵抗性例や高齢化に伴い種々の併存症を有した患者の治療、間質性肺炎合併例の治療などの課題が未だ残されているのも現状である。本レクチャーでは、 近年の病因病態研究、診断治療に関わる進歩につきオーバービューし、今後の課題やリウマチ研究の方向性についても触れたい。


 9:40-10:20
Annual Evidence Review 2
 テーマ
皮膚免疫疾患のエビデンスレビュー
 講 師
多田 弥生(帝京大学 医学部 皮膚科学講座)
 抄 録
 皮膚疾患の治療は生物学的製剤の登場によって劇的に変わり、その一方で、それら新薬の効果が免疫学的病態の解明に寄与し、新規の乾癬治療薬の開発を促すという、少なくとも病態の理解においては好循環を生んでいる。そうした進歩の一方、まだ、患者のアンメットニーズが残っている皮膚疾患があり、これらの疾患の免疫学的病態の解明によって、治療が進歩することが期待されている。本講演において は、まず、皮膚免疫疾患のエビデンスレビューとして、期待される新規治療薬とその効果、さらにそこからみえて来た各疾患の背景にある免疫学的病態を最近の知見をもとに紹介したい。とりあげる皮膚疾患は、乾癬、アトピー性皮膚炎、脱毛症、強皮症などである。


 10:30-11:10
Annual Evidence Review 3
 テーマ
がん免疫療法の最近の動向
 講 師
谷口 智憲1,2(京都大学大学院医学研究科 免疫ゲノム医学講座1,京都 大学大学院医学研究科 がん免疫総合研究センター2 )
 抄 録
 PD-1、PD-L1、CTLA-4を標的とする免疫チェックポ イント阻害薬は、主にT細胞への免疫抑制シグナルを解除することで、抗腫瘍免疫応答を増強させ、様々ながんで臨床効果があることが証明された。本邦では、現在6種の製品 (抗PD-1抗体: Pembrolizumab, Nivolumab. 抗PD-L1 抗体: Atezolizumab, Avelumab, Durvalumab. 抗CTLA-4 抗体: ipilimumab)が承認販売され、適応拡大に向けた臨床試験が活発に行われている。世界中では、約3000の、抗PD1/PD-L1抗体単独や併用療法臨床試験が行われ、改良が進められている。開発の中心は、抗PD1/ PD-L1抗体との併用療法にシフトしており、特に、化学療法、CTLA-4抗体、VEGF経路阻害薬との併用が数多く試験されている。また、適応がん種に関しても、拡大が続き、最近では、トリプルネガティブ乳癌、子宮内膜がん、食道癌でもFDAで承認された。さらに、がん種別ではなく、高頻度マイクロサテライト不安定性(microsatellite instability-high: MSI-H)やミスマッチ修復機構欠損(mismatch repair deficient:dMMR)、腫瘍遺伝子変異量高値(tumor mutation burden-high: TMB-High)などのバイオマーカーで適応が承認されたことも、本剤の特徴である。 本講演では、これら最近のがん免疫療法の進歩を概説する。


 11:10-11:50
Annual Evidence Review 4
 テーマ
神経免疫疾患のエビデンスレビュー
 講 師
佐藤 和貴郎(国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 神経研究所免疫研究部)
 抄 録
 神経系と免疫系はともに生命の本質である「自己を守る」働きを担い、環境(情報・病原体など)がその形成に大きな影響を与える。脳神経内科は、脳脊 髄・末梢神経・筋の内科的疾患全般をカバーするが、 神経系と免疫系の複雑な相互作用が明らかとなり、てんかんや認知症など、さまざまな脳神経内科疾患に対し免疫学的アプローチによる研究が進められている。本アニュアルレビューでは主として代表的な神経免疫疾患について、最近の疾患概念の進歩や新規治療薬に関するレビューを行う。中枢神経系の自己免疫性脱髄性疾患である多発性硬化症は、再発予防薬(疾患修飾薬)が登場し機能予後が改善してきた一方で、進行型については、難治で病態解明も遅れていた。しかし新規知見とともに治療薬が登場する時代となった。視神経脊髄炎は抗アクアポリン4抗体を特徴とするMSの類縁疾患である。本年、我が国が中心となり開発が進められた視神経脊髄炎に対する抗IL-6受容体抗体皮下注製剤が承認された。炎症性筋疾患(筋炎)では、従来の教科書を書き換えるような疾患概念の進歩がみられる。また、炎症性末梢神経疾患に対する皮下注用免疫グロブリン製剤や重症筋無力症に対する抗補体療法も新しい治療法として特筆される。その他腸内細菌研究など最近のホットトピックについても紹介できればと考えている。


ランチョンセミナー/共催:中外製薬株式会社 12:00-12:50

座長:渥美 達也(北海道大学大学院医学研究院 免疫・代謝内科学教室)


 テーマ
COVID-19パンデミックにおける関節リウマチの診療
 講 師
保田晋助(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 膠原病・リウマチ内科学分野)
 抄 録
 2020年初頭よりパンデミックを引き起こしているSARS-Cov-2ウイルスは高齢者や合併症を有する人に感染すると重症化を来しやすく、びまん性肺胞傷害から血管障害や多臓器不全を引き起こす。こうした中、関節リウマチ (RA) を代表とする全身性自己免疫疾患治療中の患者において重症化リスクが高まるかどうかが注目されてきた。これまでの検討からは、I型インターフェロン産生経路に関連する分子の機能不全や抗インターフェロン抗体の出現がCOVID-19肺炎の重症化に関連する一方、抗サイトカイン薬などの標的治療薬による単独治療を受けている患者では逆に重症化率が低い傾向があることも示唆されている。現時点では、我々リウマチ専門医はこれまでのRA診療に対する考え方を大きく変える必要はなく、現在寛解している患者に対してもこれまでの治療を継続することが推奨される。
RA治療における主要なターゲットは依然としてTNF-aとIL-6であり、病態の主座を形成する線維芽細胞様滑膜細胞 (FLS) はパンヌス形成と骨破壊、IL-6, MMPおよびRANKLを産生する。RA滑膜においてはTNF-aはFLSの増殖を促すと同時にIL-6産生を促進し、IL-6はFLSからのVEGFおよびRANKLの産生を促す。RANKLはNF-kB経路の活性化を促すことが知られているが、最近我々はNF-kBがRANKLのプロモータ領域に結合してその発現を亢進するといったポジティブフィードバック機構が存在することを見出した。
IL-6阻害治療は、これらの経路を遮断することでRAの病態を改善させ、さらには自己抗体の産生が低下する場合も考えられる。さらに、トシリズマブ単独頻回投与では骨破壊を強く抑制、一部で修復も促すなど骨病変に対する直接の効果も報告されてきた。
本セミナーでは、COVID-19パンデミック下でのIL-6阻害治療のポテンシャルについて紹介したい。

中外製薬株式会社