免疫学連携セミナー
(⽇本臨床免疫学会・⽇本免疫学会 共同主催)
2026年1月31日(土)12:00~16:50
会場: TKPガーデンシティPREMIUM品川高輪口 4階 ホール 4I
(〒108-0074東京都 港区 高輪4-10-18 京急第一ビル)
最近の解析手法の進歩に伴い、免疫学研究にはさらなる発展の可能性が広がっております。
本セミナーの目的は、基礎免疫学と臨床免疫学の連携を強化し、今後の免疫学研究の基盤をより一層充実させることにあります。
- 開催形態
- ハイブリッド(会場参加・ウエブ参加のいずれも可能)
- 参加費
- 無料
- 懇親会
- セミナー終了後(17:10頃より)懇親会を開催します。会場参加の方は無料で参加いただけます。
- 主 催
- 一般社団法人 日本臨床免疫学会、特定非営利活動法人 日本免疫学会
- 実行委員
- 日本臨床免疫学会:藤尾圭志(東京大学)、松本 功(筑波大学)
日本免疫学会:三宅幸子(順天堂大学)、竹内 理(京都大学)、山崎 晶(大阪大学)
- ランチョン
セミナー共催 - アストラゼネカ株式会社
- イブニング
セミナー共催 - 日本イーライリリー株式会社
締切:2026年1月22日(木)17:00
お問合せ先:jsci@icongroup.co.jp
プログラム
12:00 - 12:50 ランチョンセミナー
- 座 長 :
- 保田晋助(東京科学大学医歯学総合研究科 膠原病・リウマチ内科学)
- 演 者 :
- 庄田宏文(東京医科大学 リウマチ・膠原病内科学)
「SLEと血液学的病変 IFNとの関わり」
(共催:アストラゼネカ株式会社)
13:00 - 16:00 免疫学連携セミナー
- 司 会 :
- 藤尾圭志(東京大学大学院医学系研究科 内科学専攻 アレルギー・リウマチ学)
竹内 理(京都大学大学院医学研究科 分子生体統御学講座医化学分野)
13:00-13:10 開会挨拶
田中良哉(一般社団法人 日本臨床免疫学会 理事長)
竹田 潔(特定非営利活動法人 日本免疫学会 理事長)
13:10-14:10 腸管免疫
□13:10-13:40 日本臨床免疫学会
三上洋平(慶應義塾大学医学部 内科学(消化器))
「マルチオミックス解析がつむぐ消化器免疫学:炎症・収束の制御への挑戦」
□13:40-14:10 日本免疫学会
竹田 潔(大阪大学 免疫学フロンティア研究センター)
「炎症性腸疾患の病態解明をめざした腸管恒常性維持機構の解析」
14:20-15:20 遺伝子とサブセットから紐解く免疫病態
□14:20-14:50 日本臨床免疫学
森尾友宏(東京科学大学理事・副学長 高等研究府 免疫・分子医学研究室)
「ヒト免疫疾患の遺伝子解析から機能解析・病態解明へ」
□14:50-15:20 日本免疫学会
伊藤美菜子(九州大学 生体防御医学研究所 アレルギー防御学分野)
「神経系疾患における免疫細胞の関与と病態メカニズム」
15:30-15:50 パネルディスカッション
15:50-16:00 閉会挨拶:免疫学連携セミナー・実行委員会
16:10 - 17:00 イブニングセミナー
座 長:藤尾圭志(東京大学大学院医学系研究科 内科学専攻 アレルギー・リウマチ学)
演 者:亀田秀人(東邦大学医学部 内科学講座 膠原病学分野)
「分子標的療法の基礎と臨床の課題」
(共催:日本イーライリリー株式会社)
講師紹介
三上 洋平
慶應義塾大学医学部
内科学(消化器)
食道・胃・腸からなる消化管は、栄養を消化・吸収する臓器であるとともに、体内の多くの免疫細胞が存在する人体最大の免疫臓器でもあります。消化管の免疫バランスが崩れると炎症性腸疾患をはじめとする免疫疾患が生じますが、その本質を理解するには免疫学と臨床免疫学の連携が不可欠です。近年、炎症を引き起こす「責任分子」に対する分子標的薬が登場し、治療は飛躍的に進歩しました。これらの分子標的薬は免疫学の基礎研究から生まれ、リウマチ膠原病、神経、眼、腫瘍領域などの多様な疾患に応用されています。免疫細胞が消化管で炎症を引き起こす免疫学的な仕組みを深く理解し、疾患や臓器の枠組みを超えた臨床免疫学的な広い視点を持つことで、炎症が起こり収束する過程で、共通する病態や治療戦略の手がかりが得られます。本講演では、免疫学や腸内細菌学、分子生物学、オミックス解析を用いた研究をもとに、免疫学と臨床免疫学が緊密に連携することで広がる未来の可能性について、皆様と議論したいと思います。
竹田 潔
大阪大学
免疫学フロンティア研究センター
腸管は、腸内細菌という異物が多数存在しているユニークな臓器です。免疫系は細菌などの異物を非自己として認識し排除するシステムですが、腸管では免疫細胞が多数存在しているにも関わらず、腸内細菌に対して反応をすることなく、腸管の恒常性が維持されています。このバランスが崩れて、腸管の免疫系が腸内細菌を攻撃することにより、クローン病、潰瘍性大腸炎に代表される炎症性腸疾患が発症すると考えられています。私たちは、腸管の恒常性維持機構をマウスモデルおよびヒトの炎症性腸疾患も対象として解析することにより、炎症性腸疾患の病態を明らかにしていきたいと考えています。
基礎免疫学は、これまで主にマウスモデルを用いて免疫システムの全貌を明らかにしてきました。しかし、ヒトの免疫疾患のすべての病態を明らかにし、根本的な治療法を開発することはできていません。これからは、臨床免疫学との融合により、ヒトの免疫疾患の克服を実現することが極めて重要と考えています。
森尾 友宏
東京科学大学理事・副学長
高等研究府 免疫・分子医学研究室
私は感染症や遺伝疾患に興味をもって小児科医を選択し、免疫学を基軸とした研究に携わってきました。特に、遺伝性免疫異常症という稀少疾患の解析を通じて、免疫疾患における特定の分子の役割を明らかにし、より一般的な疾患の成り立ちの理解に繋げること、最終的には根治治療に結びつけることを目標としています。
日本臨床免疫学会と日本免疫学会には大学院生の時代に入会しています。当時は臨床と基礎、ヒトとマウスなどの区分が見えていたものの、今や両学会の境はほぼ消失しつつあります。もはや基礎と臨床の連携研究といった時代ではなく、理学、工学、数学等も含めた融合研究が未来を切り拓く時代となっています。画期的な解析ツールの開発は死活的に重要です。その意味では両学会の連携を基軸により幅広い分野の参画を得て、共通の重要課題に取り組む時と考えています。
伊藤 美菜子
九州大学 生体防御医学研究所
アレルギー防御学分野
神経系疾患における免疫の役割は、自己免疫性疾患に限らず、脳梗塞や神経発達障害などの領域にも広がりつつある。免疫細胞は単なる炎症の担い手ではなく、発達・恒常性維持・修復においても中枢神経系と密接にクロストークを行っている。私たちはこれまで、脳梗塞の慢性期における制御性T細胞の役割を明らかにし、最近では自閉スペクトラム症の発症におけるγδT細胞やILC2の関与など、末梢免疫細胞による神経機能制御機構の研究を行っている。神経疾患を「神経の病気」にとどめず、「免疫の病気」として捉え直すことで、病態の新たな理解や診断・治療法の展開につながる可能性がある。今後、精神・神経疾患に共通する免疫ネットワークを解明し、バイオマーカーや治療標的の開発へとつなげることが期待される。神経免疫学の観点から精神・神経疾患を再考し、臨床免疫学と基礎免疫学の連携により、複雑化する病態を多面的に捉える議論を深めていきたい。
共催セミナー抄録:ランチョンセミナー
庄田 宏文
東京医科大学
リウマチ・膠原病内科学
SLEと血液学的病変 IFNとの関わり
全身性エリテマトーデス(SLE)患者の約80%に血液学的異常がみられる。血液学的異常には、白血球減少、血小板減少、貧血等があり、その免疫学的病態としてI型interferon (IFN)による血液学的異常への関与が注目されている。I型IFNは骨髄において血球系細胞の分化を抑制し、複数系統の血球減少を誘導しうる。また、SLEにおけるマクロファージ活性化症候群にはI型IFNの関与も示唆されている。AnifrolumabによるSLE患者を対象とした第Ⅱ相国際共同試験(MUSE試験)の結果によれば、Anifrolumab300mg投与群ではプラセボ群と比較してリンパ球減少、血小板数の増加が認められた。本講演では、SLEにおける血液学的異常病態におけるI型IFNの関与とその治療可能性について解説する。
共催セミナー抄録:イブニングセミナー
亀田 秀人
東邦大学医学部 内科学講座
膠原病学分野
分子標的療法の基礎と臨床の課題
多くの免疫疾患はサイトカインなどの機能分子を主要なコミュニケーションツールとした免疫・炎症の動的システムとして形成されている。グルココルチコイド(GC)は多彩な作用点と短期的大量投与の忍容性ゆえ、多くの免疫疾患における第一選択薬として君臨しつづけた。他方GCの中・長期的使用による数々の副作用から、作用点がより限定的で十分量投与が可能な治療薬が希求された。分子標的療法はイマチニブに代表される低分子化合物(多くはキナーゼ阻害薬)と抗CD20抗体に代表される生物学的製剤に大別され、近年CAR-T細胞やT細胞engagerの開発も精力的に進められている。本セミナーでは分子標的療法の基礎と端緒から最新状況と課題について述べ、その中でヤヌスキナーゼ阻害薬や抗IL-17抗体製剤の臨床成績についても考察・議論を深めたい。
